企業の研究部署などで使われている検査治具は、その汎用性の低さからその場でしか利用されていません。そこで作られている製品が正確な寸法になっているかは、定規やノギスなどを使って測る事が出来ます。しかしその計測する数が膨大になる場合、いちいち当てていくよりも型を作ってそこに当ててみたり、床にずらっと並べられるようなものを作ってしまった方が早いからです。そういった専用のものを検査治具と言い、あらゆるところで作られているのですが外に持ち出しても他では使えないので、見られる事がありません。
通常の製品であれば汎用性があり、一つのサイズしか測れないのではなく調整できるようになっています。また、大きさが一般的に使いやすいようになっていたり見た目も綺麗になっていますが、検査治具はそういうことがないからです。ものづくりの研究をしている人は基本的にこまごまとしたものを作るのが得意であり、この計測に必要ならばという事であらゆるものを作ってしまいます。メジャー的なものでなくても、温度を測るものだったりちょっとしたセンサーを付けて高さを感知するものであったり様々です。
絶対に必要であるにも関わらず、普通の消費者が目にする事がなく、世界中のあらゆる場所で使われている不思議な存在が検査治具と言えるでしょう。実際に見てみると本当に作り付けのもので、こんなものを使っているのかと思ってしまう場合が多いですが、大切なものなのです。