赤外線の非破壊検査はコンクリートの空隙を調査するために使用されます。空隙というのは経年劣化によって、コンクリートの中にできた隙間のことで、できてしまうと強度が低下するので、事故を起こすリスクが高まります。日本を支えるインフラの多くは、高度経済成長時代に作られたものなので、コンクリートの寿命はすでに過ぎているものが数多くあります。劣化すると表面の塗装などが崩れ落ちたり、破片が道路上に落ちたりしますが、これを放置していると地震やその他の災害時に大きな被害が出る可能性があります。

非破壊検査は近年まで目視で行われることが多かったのですが、橋梁などは赤外線を使用しないと内部の劣化がわからないので、疲労き裂や空隙を見つけることができません。赤外線を用いた非破壊検査を実施すると、目視では見えなかった空隙や亀裂を見つけて、モニタリングすることができるので、修復の優先度を判断することができます。トンネルなどは事故が一度起きれば、大規模な崩落を起こしかねないので、定期的に非破壊検査が行われています。また民間のビルやマンションなども老朽化しているものが多いので、大規模修繕工事などの前の劣化調査で赤外線を用いた検査をすることがあります。

劣化調査を行っておくことで、修繕工事の無駄を省くことができるので、本当に必要な修繕だけを行えるようになります。また最近では熱中症や感染症対策のために赤外線サーモグラフィが使用されるケースも増えています。

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