トランスミッタ・オプティカル・サブアセンブリのTOSAは、光通信におけるレーザー光の送信を担う装置のことで、送信に必要な機能がモジュール化されているのが特徴です。TOSAの内部には光を通すスリーブやLDチップ、制御するICや光を集光するレンズなどが組み込まれており、ほぼ組み立て不要のパッケージになっています。部品は1つ1つが小さくて組み立てとなるとハードルが上がりますから、工場で製造され出荷が行われる時点で、大部分が組み立て済みになっているわけです。レーザー光を扱う光通信は光ファイバー1つ取っても扱いが難しく、送受信とその経路に僅かでも問題があると、レーザー光が上手く届かずデータの送受信に失敗します。
だからこそ組み立て精度が重要で、正確に組み立てて機能すると確認する必要があることから、予め組み立てられて出荷されます。TOSAはデータの送信にのみ的が絞られているので、受信側のROSAなしでは機能しませんし、光通信の実現は不可能となります。この為、使用中に故障が発生すると送信が上手くいかなくなりますが、幸いなことにTOSAはモジュールなので簡単に交換可能です。故障してもその部分だけを交換すれば機能が回復するのも、モジュール化されているTOSAならではのメリットで、合理的に考えられていることが分かります。
工場で組み立てて出荷とはいえ、実際はそれほど簡単なことではなく、試験をして特性を確認したり、信頼性を確保してから出荷されています。