電子部品のICを基板に装着するのに使用するICソケットは、長方形や正方形、差し込むピンの数など様々で、ICの種類に合わせて選定や実装が行われるものです。ICソケットの目的は、ICを直接基板にはんだで固定したくない場合、例えば着脱を前提とした用途にあります。ICを差し替えて使うような装置の場合は、ICをはんだ付けで固定するのには向かないので、容易に差し替えられるICソケットが用いられます。固定方法にはいくつかありますが、丸ピン式と呼ばれるタイプはソケットに内側に1ピンあたり4点の接点が設けられており、しっかりとした接触で固定する仕組みです。

板バネ式は名前の通り固定に板バネが用いられていますが、接点は2点なので、丸ピン式と比べると振動などで抜ける恐れがありますが、逆に力を入れなくても抜き差ししやすいのは確かです。丸ピン式のICソケットは、抜き差しする頻度がそれほど高くない場合に最適で、装置に振動や衝撃が加わる可能性があるケースにも向いています。ただ、耐振動性や耐衝撃性が求められる装置においては、はんだ付けで固定するのが望ましく、試験を行いICが脱落しないことを確認すべきです。板バネ式は高頻度で抜き差しする用途に向いていますが、着脱を繰り返すと次第にバネが弱まり、固定が弱くなるので注意です。

一般的にICソケットには使用可能な抜き差し回数が設定されているので、製品の仕様や保証される性能を確認して、選択を行うことが大事です。

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